ファクタリングに遡及権をつけるメリット・デメリット

みなさん、遡及権(読み方:そきゅうけん)という言葉を聞いたことはありますか?

ファクタリングに関わっていると遡及権という言葉にぶつかる時があります。

もしかしたら、すでにファクタリングを利用している人の中にも、正確に理解できていないこともあるかもしれません。

しかしこの遡及権が「ある」のと「ない」のでは、色々な面で大きく違いが出てきます

ここでは、そんな遡及権をわかりやすく説明したいと思います。

遡及権(そきゅうけん)とは何か?

遡及権をカンタンにいうと「遡及権=契約をさかのぼれる権利」ということです。

あなた
契約をさかのぼれるというのは、どういうこと?

ここでファクタリングの場合として、例を見てみます。

あなた
A社…利用者(あなた)
売掛先
B社…売掛先(販売先)
ファクタリング会社
C社…ファクタリング業者

  1. A社がB社の売掛金100万円を元に、C社から資金調達90万円を行った。
  2. しかしB社が破産し、C社は販売代金の回収ができなくなってしまいました。
  3. C社はB社の売掛金入金が無くなったため、売掛金入金を条件にA社が調達した90万円を返すようにA社に要請した。

A社は返さなくてはならないでしょうか?

これまでファクタリングを「売掛金を売って現金にする」という風に説明してきました。

その考え方からすると、「売ったんだから、その後回収できなくても知らないよ」と思われるかもしれません。

しかし実は契約条件によっては、例のケースでお金を返さなければならない場合もあります。

そこで問題になるのが「遡及権」の有無です。

遡及権は「契約を遡(さかのぼ)って及ぶ権利」で、例のケースの場合、「売掛金をファクタリングで譲渡→お金を受け取る」という流れを遡ることができるのです。

つまり例のケースで、C社が遡及権をもつ場合、C社に「お金を返せ」と要請されたら、A社はお金を返さなければなりません。

逆に遡及権が無ければ、A社はお金を返せと言われても返さなくて済みます。

いかがでしょうか?

このように見ると、遡及権は結構影響の大きな存在であることがご理解いただけたのではないでしょうか?

 

それでは次の項目で、ファクタリングに遡及権があるのかをご説明します。

ファクタリングに遡及権はあるのか?

結論からいうと、「ファクタリングでも遡及権がある場合がある」となります。

というのは一概に、ファクタリングだから「ある」「ない」と決まるわけではなく、あくまで個別の契約でどのような契約をするかによるからです。

つまり万が一、「売掛先が倒産した時にお金を返したくない」という場合は、契約する際、「遡及権が発生しない」という契約にしなければなりません。

しかし実際のところ、上場企業などのように破綻の心配が低い会社の売掛金などであれば「遡及権なし」の契約も可能かもしれませんが、業績が不明・厳しい会社の売掛金の場合、ファクタリング会社が遡及権なしに応じる可能性は下がるでしょう。

ファクタリング会社の立場に立っていただければわかると思います。

遡及権のありなしで以下のように回収可能性が変わるからです。

先の例の場合であれば、

・遡及権あり…B社からの売掛金回収。もしくはA社からの返金。
・遡及権なし…B社からの売掛金回収のみ。

となります。

ファクタリング会社にとっては、遡及権があるだけで回収できる可能性が高くなるのですから、危ない売掛先で契約する場合ほど「遡及権あり」で契約したがることでしょう。

繰り返しになりますが、遡及権のありなしは個別の契約に拠ります。

利用者側から見れば、「遡及権がある」という状態はリスクがある状態になるので、同じ条件なら「遡及権ナシ」の契約を選んだ方がよいでしょう。

 

遡及権の有無に伴う問題<個別注記>

遡及権があることの問題は先の項目でご説明した、「後からお金を返せと言われる可能性がある」だけではありません。

実は決算書にも影響が出てきます。それが「個別注記」への記載です。

個別注記とは「貸借対照表や損益計算書には表れていないが、記しておくべき事項」を記載するところです。

たとえば手形割引・手形譲渡の残高などを記載します。

実はここで「遡及権アリ」の場合、ファクタリング利用残高を記載する必要が出てきます。

何故、遡及権があるだけで、そのような記載が必要なのでしょうか?

それは個別注記に記載するべき内容として「偶発債務」があるからです。

偶発債務とは簡単にいうと「将来発生する"かも"しれない債務」のこと。この「かも」の部分が重要なポイントなのです。

先の項目で「遡及権ナシ」の場合、C社に「お金を返せ」と言われても返す必要がないと言いました。

この場合、返す必要が無いのですから、「将来に発生する"かも"しれない債務」はありません。

しかし「遡及権アリ」の場合、B社が破綻するなど払えなくなった場合、お金を返す必要が出てくることがあります。

「B社が払えている内は返す必要がないけど、B社が払えなくなったら代わりに払う必要がある債務」ということで、偶発債務になって個別注記に記載する必要が出てくるのです。

ここまでで「決算書の個別注記にファクタリング残高の記載をする必要があるのは分かったけど、それの何が問題なの?」という方もいらっしゃるでしょう。

たしかに一見、「決算書を作るときに注意する必要がある」くらいしか問題なさそうに感じるかもしれません。

しかし個別注記に記載されることで、ファクタリングを利用するメリットのいくつかが消滅してしまう可能性があるのです。

そのメリットとは、
・銀行などの評価が良くなる。
・見た目の借入が減少する。
の2つです。

たしかに借入は減少しますが、個別注記に「ファクタリングを100万円使ってるよ」と書かれている場合、銀行などはどう思うでしょうか?

「ああ、借入は減ってるけど、代わりにファクタリング使ってるのか。ということは、あんまり改善してるわけじゃないんだな」と判断されてしまうかもしれないのです。

個別注記に記載が無ければ、決算書だけ見てファクタリングを使っていることがわかる項目はほとんどありません。

わざと「売掛債権売却損」のようにわかりやすい項目を作っていれば別ですが。

ファクタリングを使う目的として、「決算書をきれいにして銀行の評価を上げたい」と思っている場合、遡及権の有無は手数料などよりよほど重要だと言えるでしょう。

遡及権について、ご理解いただけたでしょうか?

言葉だけ見るとわかりにくい印象を受けますが、理解できてしまえば簡単なものです。
手数料などに比べると、利用する時に注意することが少ない項目かもしれませんが、ここまで見てきたように非常に重要なポイントです。

ぜひ、契約する前にしっかり確認することをお勧めします。

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